「ルナは誰かが死んで満足するようなヤツじゃない!」
「俺だってそうだ…」
ケツにファイアパンチすることもなく、神として赦す寛大さをみせたアグニ。
聖人すぎるだろ、神か?
ああ、神だったか……そういや神だったか。
と、思わせておいての大炎上。
あれ…
目の前で燃えさかってるの、ドマじゃない?
ドマっぽい。
ルナは望んでないかもしれない。
アグニだって殺して満足する人間じゃなかったはず。
復讐は何もうみださない。
理屈では、わかっている。
だから一度は許そうとした。
神のような寛大さで。
最愛の妹と故郷とを焼かれ、思い出のカケラも手に取ることすらできず、何年も業火の中で生きてきた。
間違った信仰のため?
ドマも騙されていた?
教師として慕われている?
ドマの薄汚いニヤケた正義ヅラには虫酸がはしる。
復讐しても失った妹が戻るわけではない。
許すことが大切なんだ。
アグニは何度も自分で自分に言い聞かせたのだろう。
しかし
復讐とは、自分の運命の決着をつけるためにあるッ!
理屈ではなく、魂がそう叫んだのだろう。
……って。おかしい。
ファイアパンチの感想のつもりが途中からエルメェスがのりうつっていた。
復讐の物語をおもうとき、いつも心にエルメェスが蘇る。
許すのが正しいのか。
完遂するべきなのか。
復讐の場面、映画ならセリフ無しで荘厳なクラシック音楽(生演奏、大音量)だね。