Quantcast
Channel: [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4493

宮部みゆき著 英雄の書と悲嘆の門を読んだ

$
0
0

英雄の書、悲嘆の門、読了。
ネタバレ感想はのちほど。



さすが宮部みゆきだけあって上手。
常に平均値を超える面白さがある。

2つの作品、このシリーズを通して貫く芯の部分には強く共感した。

本もドラマも歴史も言葉も、誰かがなにかを把握して他の人に伝えることそのものがすべて「物語」であり、そこに優劣も真偽もなく、等価で罪深い。そして尊い。
この考え、設定は、わたしもいつも感じている。

物語作家としての宮部みゆきの魂の一端が垣間見える設定でもあると思う。



が、宮部みゆきの作品としては、残念ながら上位ではない。
宮部みゆきのファンタジーにアタリは無いのか、との思いを強くした。


英雄の書

宮部みゆきが書く必要があるのか?と思った。
どこか借り物のような世界観。設定。読んでいて既視感を覚えた。

そうは言っても本が話し出すって素敵。
擬人化もいい。ネズミだけど。

主人公のキャラクターがぶれぶれ。
子どもなの?オトナなの?

美形を美形と言わずにうまく表現してほしい。
美形って言ってしまうと急に安っぽくなる。

もっとたくさん領域を見たかった。

透明マントの設定もブレていた。見えるのか!見えないのか!

ファンタジーは設定を堅持しないと物語世界に没入できないので、そこはもっと頑張ってほしい。
尻切れとんぼのようなラスト。



悲嘆の門

プロローグで泣いた。
プロローグのみでも短編として成立する。心が震える描写。

主人公が大学生の男子になって安心して読める。キャラがブレないって大事。(成長は別)
前半は現代サスペンスの雰囲気。
宮部みゆきはこういうのがうまい。

突然出てくる無名の地、無名僧、狼。
「英雄の書」を読んでないとわからない。
読んでて良かった「英雄の書」

元刑事のくたびれたおっさんってベタだけど大好きだ。

クマーの絵本を探した。
北欧のコーナーにあるかと思ったら宮部みゆき作品だった。
騙されたー! そういうことかー!


悲嘆の門って嘆きの壁?


ハッピーエンドのような、そうでもないような。


現実の世界とファンタジー設定を両立させるのは難しい。



 
作中に出てくる児童書。
宮部みゆきは絵本の原作もイケそう。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 




ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

読者登録してね





blogram投票ボタン


にほんブログ村 本ブログへ  




 

 

 

 

 

 

ブログサークル
ブログにフォーカスしたコミュニティーサービス(SNS)。同じ趣味の仲間とつながろう!

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4493

Trending Articles