初めての垣谷美雨作品。

「老後の資金がありません」
書店でタイトルに惹かれて手に取り、立ち読みしたら、もうやめられない止まらない。
久しぶりの衝動買い。
とても読みやすい文章。
重いテーマなのにユーモアタッチでスイスイ読める。
3時間弱で一気読み。
主人公は堅実な主婦、50歳。後藤篤子。
地道にしっかりと子どもふたりを育て上げ、さて、これからは夫婦でのんびり……なんて考えはじめた頃。
大根や白菜の数十円の節約をかさね、貯めた金額が1200万円。
貯金と年金と退職金で老後の生活は安泰か?
しかしそうは問屋がおろさない。
たよりなくて心配な娘さやかが結婚するという。
これまで浮いた話のなかったアラサー娘、一世一代の大チャンス。
良かった!おめでとう!安心した!
しかし結婚相手の都合で派手婚することに。
その額なんと600万円!
アルバイター薄給の娘に貯金はない。親が出さなくちゃいけないの?
折半で300万円?花嫁衣装や雑費もウチがもつの?
新婚旅行は?家具家電は?新居の準備は?
その上長患いしていた義父が亡くなって、葬儀の手配もしなくては。
長男の夫は安請け合い。俺に任せとけ。
きっと参列者は多いだろう。おやじは商売してたから。見苦しい式には出来ない。
大丈夫大丈夫、きっと香典でそこそこ返ってくるさ。
すぐに燃やす棺桶がうん万円、数時間飾るだけの祭壇や花にうん十万円。
やっぱり1番安いのにしたらバレちゃうかしら?
故人をないがしろにしているって思われちゃうかしら?
お金には羽がはえているよう。
気がついたら手元にはわずかばかり。
見栄っ張りは誰?
わたし?夫?親族?子ども?
どこにどれだけお金をかけるべきなのか。
不安でたまらない。
心配でたまらない。
だけど。でも。
出すべきときには出さなくちゃ。
という前半部分。
後半は夫婦揃ってリストラされて、いよいよお金が苦しくなってきた主人公。
そんな主人公はどこか置いてきぼりで、引き取り同居の姑と友人サツキとのドタバタ年金詐欺のお話。
後半はオロオロするだけの主人公は脇役っぽく、ヤル気になった姑さんが楽しい。
わたしも派手婚で、そのお金は親に出してもらったので読んでいて胸が痛くなった。
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そんなわたしも4x歳。
派手婚した娘より50歳の主人公に年が近い。
ここ10年の時間経過の早さを鑑みるに、50歳になるのは体感で3年後5年後くらい。
時は加速している。
プッチ神父がやらかしてるんだろね。明日って今だよね。
だから親の老後より自分の老後が心配になってくる。
(親はすでに老後。無駄な教育費や結婚費用に散財させたけど元気に旅行にいってるから安泰なんでしょねー)
わたしが50歳になっても、まだ子育ては終わってない。
上の子が20歳、下の子は義務教育がおわるくらい。
結婚出産が遅いと子育て時間も繰り下がる。
そしてうちはサラリーマン家庭。
夫の定年がどうなるのか。
55歳?60歳?63歳?65歳?
出世(幹部になると定年遅くなる)したらいいけど、しなかったら子育て終了前に給料が激減するよねー
留学したいとか一人暮らし(仕送り付き)したいとか言われたら破産しそう〜
ぜんぜん働きたくないけど、ヤバそうになったらわたしもなんとかしないといけないなあ。
自分に置き換えて、ちょっぴり憂鬱になった。
とりあえずは夫がたくさん稼げるように祈っておこう。
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