久しぶりの藤本タツキ作品レビューです。
『妹の姉』
藤本タツキの「妹」という存在への偏愛はどうなっているんでしょう。
憧れが行きすぎた妄想になっているんでしょうか。
これでリアルにマジモンの妹がいたら逆に怖い。
(え?こはるちゃん?)
このお話、姉妹設定なので個人的に突き刺さるものがありますが、ジャンプの古典名作を彷彿とさせる内容となっております。
ジャギ様曰く
「兄より優れた弟など存在しねぇー!!」
の女子版
「姉より優れた妹など存在しねぇー!!」
な
姉への、
妹からのヌードパンチ
姉への愛情アピールが裸婦像っていうところがタツキよね。
しかもこのアングル……
具が見えてます。
(見えてないか)
美術館巡りをしていても、なかなかこのアングルにはお目にかからない。
インリンオブジョイトイなM字開脚じゃないだけいいか。……いいか?
羞恥プレイも凝ってます。
級友からの揶揄いからのイジメ……セクハラ……ならば凡庸な展開ですが、そこは我らが変態マスター藤本タツキはひと味違います。
両親や親戚のおじちゃんおばちゃんと描いた妹とモデルの姉との記念撮影大会開催(開催地は通っている高校の正面玄関。平日。)という味わい深さ。
思わず新しい世界に目覚めてしまいそうな屈辱です。
怒りに震える姉ですが、妹のやったことはともかく、そもそもの発端は自分の中に生まれたコンプレックスであり、妹はずっとおねいちゃんを慕っていたことを思い出します。
姉妹(兄弟)は、年齢差があるぶん、姉(兄)が先んじています。
なので幼少期は姉(兄)が優れています。
しかし、ある程度成長してくると年齢のアドバンテージは消えてしまう。
個体として妹(弟)より優れている姉(兄)なら関係性はそのままですが、往々にして姉(兄)より優れた妹(弟)も存在するわけで、その場合はどこかで才能や成績や実績が逆転してしまいます。
頂点からの転落。
絶対的優位に立っていたはずが、気がついたら見上げているという屈辱。
優れた弟妹を持ってしまったがゆえの慟哭。
しかし、
そこでいくら
「兄より優れた弟など存在しねぇ!!」
と叫んでみたところで、負け犬の遠吠えでしかありません。
虚しい。
そこからどちらに歩いていくか。
逃げるのか。
走り出すのか。
熱き血潮で繋がっているのだから、その背中も見られています。
おねいちゃんはカッコいい背中を見せることが出来たんじゃないかな。
これまで読んだ藤本タツキ作品のなかでいちばん綺麗にまとまっている作品でした。
『妹の姉』はチェンソーマン2巻
新刊発売記念の短編漫画でした。
ありがたや。
『チェンソーマン』感想は書かないの?読んでないの?というコメントが来ないのは『ファイアパンチ』の感想を途中で放り投げたせいでしょうか。
そもそも期待されてないだけか。がくーん。
『ファイアパンチ』最終回の感想は途中まで用意したんだけども。
ケンシロウはかわいくないからジャギさまがグレるのもしょうがない
弟の方がすぐれているっぽいけどがんばるにいさん、頼れるにいさん
姉妹といえばタツマキフブキ姉妹
姉(タツマキ)に負けっぱなしの妹(フブキ)もツライよね