初期の作品集。
恐怖の場面でギャグ顔することがままある。
怖がらせたいのか笑わせたいのかわからない独特のセンス。
『魔女メディア』の絵柄が好きだなあ。
1970年代中頃から1990年代くらいの絵が好き。
表題作『魔女メディア』と『ビクトリアの遺書』はどちらも過去の怨念が少女に悪夢となってあらわれ、憑依するおはなし。
牡羊座の元ネタ、黄金の羊毛を刈り取るクエストの手助けをしたことで有名なギリシャ神話のメディア(メーデイア wiki )をモデルにしている。
『魔女メディア』は名前だけ拝借し、吸血鬼 血の伯爵夫人 と評されたエリザベート・バートリ(バートリ・エルジェーベト wiki )からエピソードをとっている。血の湯浴みシーンは無かった。残念。
悪魔・魔女の印ブラックスター(五芒星)が額にあるっていうのは目立ちすぎると思う。
隠れるところにつけてあげようよ。
美内すずえキャラ安定の鈍感ぶり。
いったいどこに……?
じゃない。
なぜ額の部分をぬりつぶしてあるんだろう?
ってさっき自分で言ってただろ。
『ビクトリアの遺書』では王様殺害未遂の手段が毒であることがメディアっぽい。
※メディアは魔法薬や毒が得意
ただしこちらは冤罪で、現世に蘇った理由がただ幸福になりたかっただけという憐れなものだった。
ナナは現代的な明るい楽しい女の子。オスカーに片思いしているが振り向いてもらえない。
しかし威厳のあるビクトリアが憑依したナナに、オスカーはふしぎな魅力を感じて惹かれるようになる。
やった!両思い!と喜ぶナナだが、オスカーの気持ちはナナに向けられていたものではなかった。
めでたしめでたしな感じで終わってるけど、結局オスカーが愛しているのは(ナナの体に蘇った)ビクトリアで、ラストでナナに優しいのもビクトリアに「幸せにするよ!」と約束したからなんだよね。
笑顔で
「きみはもうビクトリアじゃないんだ 新しく生まれかわったんだよ」
と言うオスカーの真意が知りたい。
短編『人形の墓』は傑作。
亡くした娘の代わりに人形を愛するリー夫人がね……大人になって、改めて沁みる。
理屈じゃないんだろうなって。
なぜか心にしみいる。
(たけくらべの美登利のあの表情で)
人形のセーラもかわいそうなんだよね。
怖いんだけど、かなしい。
新参者(養女のアナベル)に夫人の愛を奪われそうになって怪現象を起こしたけど、うまくいかずにリー夫人が瀕死になって、それをアナベルに責められて絶望しちゃう。
アナベルさえ来なければ夫人との蜜月が続いたのに。
リー夫人もアナベルも幸せになったっぽいからいいけどさ。
それにしてもジョエルはどうかしている。
結果オーライだったから良かったけども。
本人(リー夫人)の了承も得ずに孤児院からアナベル連れてきて「今日から姉さんの娘に」はない。
未亡人の姉を心配する気持ちはわかるけど、いきなり養女って。
再婚するって手もあるのに。
ガラスの仮面『石の微笑』の元ネタになった物語かもしれない。
アナベルが養女に来なかった未来が『石の微笑』で、人形が遺産を受け継ぐようになる。
竹の人形強制装置くるおしく好き。
マヤのイカれた稽古たまらん。
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