わたしの大好きな映画が80年代だったことに気づいた。
めずらしく恋愛映画!
少年少女時代に出会っていた男女が青年期に再会して恋をして、ドタバタがあって、いろんなものをかなぐり捨てて新天地へランデブーヒアウィーゴー!!
これは青春シネマと言ってもいいのではなかろうか?!
……まあ、ファンタジーなんだけどもさ。
そう、この『スプラッシュ』はファンタジー映画。
なにしろヒロインが人魚だからね。
いわゆる人魚姫の現代版(ただし80年代)。
人魚っていうと健気でカワイソウなイメージなんだけど、この映画の人魚は元気いっぱいで悲壮感がない。
かわいそうな目にはあってるんだけど。
人魚ってバレて研究対象にされそうになったり… 魚部分がモロモロになっちゃうのがリアル感あってヒィーってなった。
天真爛漫なんだけど賢いところが数多の人魚姫とは違うところだと思う。
海難事故で溺れた人間を助けて、恋をして会いに行く……というお約束も、人間(アレン:トム・ハンクス)の落とした財布の中の身分証にある住所を見て、沈没船の地図で所在を調べて自ら赴くという知略。かしこい。衝動と行動力だけの人魚姫とは違う。
その後も向学心溢れる人魚(マディソン:ダリル・ハンナ)はいつまでも無知無言ではいない。テレビ鑑賞で人間界の文化と言語を学んでいくのだ!かしこ!
だけど人間界のルールやマナーを知らなくてやらかしちゃう!そんなマディソンが可愛らしいんだよねぇー!!
レストランでエビを手掴み丸かじりしたり、フルヌードで闊歩したり。
(リアル世界でやってる人間いるけどな)
ロブスター(殻硬い)を丸かじりできるなんて歯も顎も丈夫〜!
殻はともかく甲殻類はお箸やナイフフォークで食べるの困難すぎるから、まあまあ高級なレストランでも手掴みオッケーなところもあるよね。フィンガーボールか手拭きが用意されて。
ダリルハンナが美しいおパイもおちりも惜しみなく披露してくれて眼福。
昨今の映像作品ておパイあんまり出さないよね。
80年代はコメディーでもホラーでもヤクザ映画でもバンバン出してたのに。
性的搾取ってやつ?しゃらくせえわ。
おパイみせろー!!(内なるおっさん)
アレンのお兄ちゃん(ジョン・キャンディ)もすっごいいい味出してる。
最初は「なんやこいつ…」ってかんじのデブダメ兄貴っぽいのに、ここぞってところでカッコイイ。
出来る弟くんだったアレンが弱気というか投げやりというかしゃあないやん……てなったときにそうじゃないだろって叱咤して次の行動に繋げてくれるんだ。
さすが兄貴!お兄ちゃーん!!
海の中(水中)キスすてき!って心の深い部分に刻み込まれたのって『スプラッシュ』の影響があるような気がする。(それと『BASARA』)
若いトムハンクスのかわいらしさも必見。
まだ線が細くってゴツゴツしてなくて少年ぽさが残ってていいんだよね〜
生真面目なんだけど眉とか鼻のあたりがヤンチャぽいの。愛嬌があるかんじ。
おっさんになってからの名優然としたトムハンクスもまあいいんだけど、若い!かわいい!初々しい!ダリルハンナとトムハンクスのふたりが、いかにもういういしく恋していて見ててときめくんだ。