のんびりした町で突然巻き起こった殺人事件。
被害者は偏屈なジジイ。貴船善三。貴船組組長である。
自殺か?他殺か?それとも…?
カーラ作品には珍しくミステリ仕立て。
登場人物がほとんどジジババ。
主人公の女の子以外はおっさんとジジババばかりという、安定の川原泉ワールド。
主人公の若林鈴菜はごく自然にジジババに混ざってゲートボールを楽しんでいる。
運動神経に恵まれなくとも体力に自信がなくても楽しめそうで、ゲートボールの魅力にとりつかれてしまいそう。
ただしコミュニケーション能力は必須ぽい。
貴船組長にコミュニケーション能力があればねぇ……
小夜さんみたいなおばあちゃんって理想のおばあちゃんだよね。
可愛い素敵なおばあちゃん。いいなあ。ああなりたい。うん、無理そうだ。
ゲートボール殺人事件以外にももう一作収録。
intorelancde-あるいは暮林教授の逆説
こちらも死の香りが強く漂う。
しかもゲートボール殺人事件のような明るさはない。
(息抜きのようなギャグパートはある)
カーラ作品としては本当に異色。
シリアス。そして恋愛模様もしっかり描かれている。
おいしい甘い「桃」はどのような存在なのか?
各務俊城(かがみ としき)と鷹見陸(たかみりく)は素敵なコンビなのでこの2人が主役で別作品があってもよかったんじゃないか、ってほど好きなキャラクター。
でもこの短編でしか登場してない。たぶん。
お下げ髪を切ってボーイッシュになった鷹見陸を見つめる暮林教授の視線が怖い。
暮林教授の本心は最後までわからなかった。
彼はどんな思いを抱いていたんだろう?
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ゲートボール殺人事件 川原泉
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