実はこの『政と源』が三浦しをんの小説で初めて読んだ作品。
感想記事は星間商事株式会社社史編纂室 とエッセイの悶絶スパイラル 、お友だちからお願いします だけしか書いてないけど
『政と源』
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『神去なあなあ日常』
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『星間商事株式会社社史編纂室』
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『舟を編む』
の順で読了してるのだ。
(次は『神去なあなあ夜話』を読もうかなと思ってる)
読んだ順に記事を書けばいのに。
書きたいことが渋滞しててまいっちんぐ。
池野恋エッセイ本も一条ゆかり特集ムック本も書きたいことが多すぎて後回しにしてるぅ〜
このままじゃ何を書こうとしてたか忘れるぅ〜
『政と源』も読んだの何ヶ月も前で、細かいこと忘れた。
でも書く。
ジジイの政と源は腐れ縁の幼馴染。73歳。
政は下町の簪職人、源は元銀行マン。
大雑把で飄々とした源次郎は簪に向き合うときだけ真剣になる。
三浦しをんは仕事に真摯な人を描くのが好きなんだな。
退職してしまった元仕事人間の国政は寂しげ。
昔ながらの不器用でかたくなな男の国政は、退職のタイミングで妻に逃げられてしまう。
成長した子どもも寄り付いてこないし、孫とも疎遠。
暇なので定年の無い職人の源次郎のところに顔を出す日常だ。
早くに妻を亡くして一人暮らしの源次郎も無聊をかこっているかと思いきや、アホ明るい弟子の徹平と徹平にラブラブな恋人マミくんがいて賑やかで、嫉妬してしまう。
ずっと自分のほうが「ちゃんとしてる」と思っていたのに。
普段のちゃらんぽらんな源次郎からは想像もできないほど器用に丁寧に妥協せず繊細な飾りを作る姿をまじまじと見ていると、尊敬と焦燥をおぼえてしまうのだ。
下町の家をつなぐ流れに浮かぶ、ふたりの思い出。
家族をなくした日。
恋をした日。
多忙で会わなかった日。
喧嘩しても失言しても終わらない仲のともだちがいるって素晴らしい。
男どうしのベタベタしていない友情物語。
BL風味蛇足
ジジイだし妻帯者だけどBLの底本になりそう……
天衣無縫な源次郎と不器用な堅物国政って!典型じゃあないか!
ワザと狙って書いてるだろ、と思った。
「血の道標 わざと垂らし そして拭く 同類にのみわかる程度に 香るように 仲間だおまえは… オレと同じ」
オレじゃなきゃ見逃しちゃうねの手刀でおなじみHUNTER×HUNTERの殺人鬼が団長に誘われたときのような気分。
腐女子成分がある「仲間」にはこの香り、わかってもらえるはず。
イラストがイラストだしな。
(知らんけど絶対そっち界隈の絵師さんだと思う……香ってくるわ〜)