3月のライオンって知ってる?
将棋の漫画。
将棋のルールがわからなくても楽しめるところは ヒカルの碁みたいだけど、ヒカルの碁の明るさとは一線を画してる。可愛らしい絵柄に少女漫画畑の陰湿さがべっとり。
掲載誌の種類でもそのレーベルのカラーってあるけど、少年漫画と少女漫画の違いって湿度だと思う。
少年漫画はカラッと乾いてる。
少女漫画はジメッと湿ってる。
どっちが上とかじゃなく、どっちも好きだ。
そんな3月のライオン。
主役の零ちゃんは将棋の天才。
藤井四段を彷彿とさせる異例の早い出世で棋士になっていく。
零ちゃんが将棋に没頭するにはいくつか理由があって、その理由のどれもがせつなく、くるしく、かなしい。
もちろん好きを超えた大きな感情がなければ棋士としてやっていけない。
将棋を好きだとか、面白いとか、勝ちたいとか、そういうのは言うまでもなく大前提であるんだけれども。
零ちゃんの特質として、ぼっち気質っていうのがある。
同世代のみんなとつるんで遊べない。
零ちゃん、いい子なのにね。
なぜかグループに入れてもらえないし、石投げられたり小突かれたりする。
積極的なイジメにあうのがいやだから、教室の片隅で息を潜めるのが上手になる。
人知れずそっと人の輪をぬけだして木陰で棋譜を読んだり……
読書しているんだ。本に夢中なんだ。だから誰も話しかけないで。
1人だけどひとりぼっちでさみしくなんかない。だってひとりを楽しんでいるんだから。
みんなに相手にされてないんじゃない。
無視されてるんじゃない。
自分の世界を大切にしているだけ。
こういうのってどちらが先なんだろう?
学校の休み時間、クラスメイトが楽しげにおしゃべりしている姿。
その声の断片が、宇宙人の言語のように理解不能だった。
彼らを理解しようと近づかなかったからぼっちになってしまうのか、仲間になれないからひとりでいるしかなかったのか。
零ちゃんがひとり机で本に顔を埋めている場面を見て、学校生活の息苦しさを思い出した。
わたしはずーっとぼっちだったわけじゃない()んだけど、ごく少数の友だちとクラスが分かれたり、ごく少数の友だちが別の子と行動していると、もうアウトだったんだ。
たくさんの人がいて賑やかに楽しくしているのにそこに加われない。
なんでなんだろう?
笑顔が不自然なのかな?
表情がぎこちないのかな?
勇気を出してその中に飛び込めたら良かったのかな?
だけどそんなことはできない。
精一杯の強がりで、気にしてないフリしかできない。
彼らの言葉が耳に入らないように、笑い声に傷つかないように、いっしんに本を読む。読む。読む。
とても集中して。没頭して。
夢中になれば、そこは本のなか。
わたしは零ちゃんのように何かに秀でることはできなかったけれど、ひとりでいるより孤独な大勢の中で、何かに集中することの「救い」はわかる。
音も届かない深い湖に沈んでいくように、没頭する。
ざわめきが遠くなり、冷たい水の中で、じぶんの抱きしめている世界だけが仄かに明るくあたたかい。
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囲碁も将棋もわからなくてすまぬ……
実は麻雀もわからないのにカイジやアカギ読んでる…すまぬ……アホですまぬ……
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