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Channel: [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]
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後妻業 黒川博行

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はじめての黒川博行作品。
ピカレスク小説が得意、という評判は知っていました。

たしかに悪いヤツばっかり出てきます。
悪くなさそうな人も、クセがある。
ドラマや映画にしたら映えそうな場面が多いなあという印象。

この一作でどうこう判断するのはいかがなものかとおもうけど、小説というよりルポを読んでいるようだった。こういう作風なのか、後妻業という作品だから敢えてそうしたのか。

前半の、小夜子のキャラクターがじょじょに浮きあがってくるあたりは読んでいて楽しかった。
元刑事の探偵が踏み込みすぎて…っていう展開も好き。


朋美の建築関係の説明は冗長に感じました。あれ、必要な描写だったんでしょうか?
麻雀の部分も…解説によると著者は麻雀好きで有名らしく、麻雀の描写が作品に奥行きをだしているってことですが、そんなもんなのかな?麻雀に詳しくないのでうっとおしかった。
建築や麻雀などのウンチク部分の書き方が、ちょっと苦手です。


最後はやけに駆け足。
慌てて風呂敷をたたんだような。来週で打ち切りだから締めました!みたいなドタバタした終盤はなんなんでしょう。そっけない終わり方もルポっぽい。

途中まではかなり楽しめたので、他の作品も読んでみようかな?
いくつかシリーズがあるみたいだけど何が面白いんでしょう?
スカッと爽快なピカレスク小説が読みたいなあ。



 

後妻業 (文春文庫)

後妻業 (文春文庫) [文庫]

黒川 博行

文藝春秋

2016-06-10








映画化されてるんですね。小夜子は大竹しのぶ。

【チラシ付き、映画パンフレット】 後妻業の女 GOSAIGYO NO ONNA 監督 鶴橋康夫

【チラシ付き、映画パンフレット】 後妻業の女 GOSAIGYO NO ONNA 監督 鶴橋康夫

東宝






漫画化もされてる

後妻業の女: (1) (ストーリーな女たち)

後妻業の女: (1) (ストーリーな女たち) [Kindle版]

小林 薫

ぶんか社

2016-05-26






後妻業っていうので思いだしたのは、やしきたかじん。 
老いたり病んだりして余命が見える頃にあらわれる、天使のように優しい女。
最期まで幸せな夢を見せてくれるのなら、天使に愛された男は本望なのかもしれない。

真実がどこにあるのかはわからないし、関わった人の数だけ違う真実があるのだろうけど、死を目前にして、突然あらわれた人間に縋りたくなるほどの孤独こそが哀しい。


 

 

殉愛

殉愛 [単行本]

百田 尚樹

幻冬舎

2014-11-07







百田尚樹『殉愛』の真実

百田尚樹『殉愛』の真実 [単行本]

角岡 伸彦

宝島社

2015-02-23


 


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